アニメのすべてが、ここにある。 AnimeJapan 2020 2020.3.21[SAT]-24[THU]


Production Works Gallery

知ってるようで知らない

アニメーション監督の仕事

「アニメ創りに、憧れを。」をテーマに毎年展開しているProduction Works Gallery。2020年は「知ってるようで知らないアニメーション監督の仕事」と題して監督という職業にスポットを当て、インタビュームービーの上映や監督ご本人によるセミナーの開催でその本質に迫る予定でした。残念ながら上映やセミナーは出来なくなってしまいましたが、会場にてパネル展示の予定だった各監督のクリエイティブの源泉を探る10の質問への回答など、今回のProduction Works Galleryの一部分だけにはなりますが、本サイトにて公開させていただきます。

【アニメーション監督とは】

作品制作の総責任者。どんな作品を作るのかのイメージを持って、スタッフにその方向性を示す(ディレクションする)のが一番大きな仕事。そのイメージを各スタッフに伝えて、それぞれの仕事をしてもらう。成果物が上がってきたらその「OK」「NG」を判定し、必要に応じてリテイクを依頼する。これを繰り返すことで作品全体を目指す方向へと導いていく。

プロデューサーとはどうちがう?
プロデューサーはビジネス面も含めたプロジェクトの総責任者。どれぐらいの予算で、どんな人に見てもらうアニメを作って、どういう方法で回収するかのプランを立てる立場。またアニメーションプロデューサーとクレジットされているのは、制作現場における予算執行とスタッフィング、スケジュール管理の責任者。監督はプロデューサーのプランを前提にしつつ、アニメーションプロデューサーの力を借りて、具体的な作品作りを進めていく。

<監督の仕事①>
メインスタッフと打ち合わせをして作品の方向性を定める

  • 脚本

    監督、脚本家、プロデューサーなどで「本読み(脚本打ち合わせ)」を行い、脚本を完成させる。作品の骨格をつくる大事な工程。

  • キャラクターデザイン

    キャラクターに関する覚書などを渡して、キャラクターを発注する。ここで決まった絵柄によって作品のムードが決まる。

  • 美術監督

    これから作る作品にはどんな背景がふさわしいか。大道具に相当する舞台設定(美術設定)や背景美術の画風について打ち合わせる。

  • 撮影

    撮影は画面の画調(ルック)を決定する大事な部署。作品にふさわしい画調はどのようなものか、やりとりを重ねて決め込むことも。

  • 音響

    キャラクターにふさわしい演者を選ぶキャスティング。作品の雰囲気を決める音楽発注。音響監督と相談しながら進めていく。

<監督の仕事②>
実際の映像作り

  • 絵コンテ

    脚本をもとに、どんな画面の連続で作品を語っていくかを決める工程。アニメづくりのベースを作る重要な作業。

  • 作画・美術チェック

    絵コンテをもとに打ち合わせをした成果物がOKかどうか、各パートの責任者(作画監督、美術監督)の後に最終チェックする。

  • ラッシュチェック

    出来上がったカットごとの映像をチェックしてミスがないか、イメージ通りの仕上がりかどうかを確認する。

  • 編集

    各カットの長さを1コマ(1/24秒)単位で調整し、台詞の間やアクションなどのタイミングを整え、作品の流れを整えていく。

  • アフレコ・ダビング

    音声を収録するアフレコ、映像に音(音声・効果音・音楽)をつけるダビング、ともに音響監督と話し合いながらすすめる。

総監督と監督
監督の仕事量が多い場合、総監督と監督という2人体制をとることがある。仕事の分担は作品ごとに異なるが、総監督はプリプロダクション(企画から脚本の完成まで)とポストプロダクション(編集、音響作業)を中心に担当するケースが多いようだ。この場合、監督は逆に絵コンテ以降の映像を完成させる部分に注力する。

助監督・副監督
こちらも作業量の多い監督をサポートするためのポジション。こちらも作業の分担は作品ごとに大きく異なるが、必要な打ち合わせを監督の代わりに行ったり、絵コンテのチェック・修正などを担当することが多いようだ。

荒木哲郎

  • 荒木哲郎 の画像

    プロフィール1976年生まれ。埼玉県出身。主な監督作品に『DEATH NOTE』(2006)、『ギルティクラウン』(2011)、『進撃の巨人』(2013)、『甲鉄城のカバネリ』(2016)などがある。現在新作準備中。

    代表作品

    • 進撃の巨人
      ©諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
    • 甲鉄城のカバネリ
      ©カバネリ製作委員会
    監督インタビュー
    ①アニメ監督を志した理由は何でしょうか?
    大学時代に演劇や漫画、自主映画などをやっていましたが、身近な人の反応が最も良かったのは自主映画でした。なので、映像業界に進もうと思いました。実写でなくアニメにしたのは、当時『新世紀エヴァンゲリオン』が好きだったからです。
    ②監督になるまでの経歴を教えてください。
    1999年、当時南阿佐ヶ谷にあったマッドハウスの制作進行職からスタートでした。
    制作仕事の中でもちょっとイラストを描いたり、機会を見つけて作り手志望であることをアピールして、制作でありつつ絵コンテや演出の仕事もやらせてもらっていました。
    完全に演出の仕事に絞りこめたのは2002年ごろからです。
    浅香守生監督や高柳滋仁監督に教えてもらいながら、しばらくTVシリーズ各話の演出を経験させてもらったのち、2004年にOVA『おとぎ銃士赤ずきん』で初監督。
    シリーズ初監督は2006年の『DEATHNOTE』です。
    ③今まで影響を受けた監督・作品を教えてください。
    富野由悠季監督作品全般(主に「ガンダム」シリーズ)
    『新世紀エヴァンゲリオン』
    もちろん他たくさんありますが、大きいのはこの二つかと思います。
    ④監督になるために必要な勉強・経験を教えてください。
    学生のうちに好奇心旺盛になって、やったことのないものを貪欲に挑戦しておいたほうがいいと思います。
    いま興味がないことこそ、のちに大事かと。自分はそういうふうに経験を増やしておかなかったので、のちに「しまった」と思いました。
    ものを知らず世間を知らず、大した人生経験もないのに迂闊に監督に立候補してしまい、焦っても遅く、恥をさらしながら仕事をし続けているのが自分です。
    ⑤作品を制作する上で大事にしているポリシーを教えてください。
    全力で取り組み、使える人生の時間すべて注ぎ込み、やれることをすべてやった仕事でようやく「ちょうど」だと思います。
    それくらいやって、ようやく人は「どこにでもある普通のアニメ」として受け取ってくれます。
    ひとのお手伝い仕事でも同じですから、一生楽をすることはできないようです。
    富野由悠季監督も私に、「後進育成で尊敬される人生か、一生コンテで苦しむ人生か選べ」と言ってきました。
    大変なところに来ちゃったなあ、と思いました。
    ⑥監督の仕事で一番楽しいことを教えてください。
    できあがった作品が自分で気に入る上がりならば、とても気分が良いです。
    お客さんの評判が良かったら尚更(そのふたつは案外比例します)。完成して、運が良ければそんな日を迎えるときもある。迎えないかもしれませんが。
    作っている間は何をしても人に嫌がられ怒られ、ずっと修羅です。
    ⑦映像技術の革新(3DCGや制作ツールのデジタル化など)は監督の仕事にどのような変化を与えているでしょうか。
    現状は、仕事がルーティンにならないような刺激を与えてくれる存在です。
    のちにフィルムの革新をもたらすのかもしれないと思いつつ、その日に「そもそも使い方がわからない」では話にならないので、新しいツールの使い方も覚えておこう、という感じです。
    ⑧アニメを伝えるメディア(TV・映画・ビデオ・配信等)の変化は監督の仕事にどのような影響を与えているでしょうか?
    現場の皆が成功の手ごたえを感じるのが難しくなった、と思っています。
    10年前くらいまでは、無事納品を果たしてさえいれば成功だったような気もするのですが。
    ⑨アニメという表現手段の魅力や強さはどこにあると考えていますか?
    「絵がうまい」というエモーションは、不思議なことに老若男女に関わらず、その人の教養も知識も関係なく、どんな人も瞬時に虜にできる力があって、アニメはやっぱりそれが最大の武器だなあ、と思います。
    ⑩監督を目指す人にメッセージをお願いします。
    思ったより嬉しくない仕事だった、と思いつつ同時に、想像したよりはるかに素晴らしい仕事だった、とも思っています。
    どんな仕事も集中して突き詰めると、ほかの大きな何かに通じていると聞いたこともあります。
    自分も若輩ながら、ちょっとそういう気持ちになりました。そうだったのか、と。
    べつにアニメの監督でなくても、なんでも同じなのでしょうね。
    自分も道の半ばです。ともに頑張りましょう。

イシグロキョウヘイ

  • イシグロキョウヘイ の画像

    プロフィール1980年生まれ。神奈川県出身。
    主な監督作品に『四月は君の嘘』(2014)、『Occultic;Nine -オカルティック・ナイン-』(2016)、『クジラの子らは砂上に歌う』(2017)などがある。2020年5月15日より映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』が公開される。

    代表作品

    • 四月は君の嘘
      ©新川直司・講談社/「四月は君の嘘」製作委員会
    • クジラの子らは砂上に歌う
      © 梅田阿比(月刊ミステリーボニータ)/「クジラの子らは砂上に歌う」製作委員会
    監督インタビュー
    ①アニメ監督を志した理由は何でしょうか?
    志したというよりも、結果的に目指したという方が正しいです。
    僕は「なにかしら作品をつくって世に出し続ける」ことを人生の目標としています。本当はプロのミュージシャンになって食べていく人生を望んでいましたが、その夢は叶いませんでした。でも、アニメでなら自分の才能を活かせるかもしれない、と感じてこの業界に飛び込んだという経緯があります。自分の名前で作品を発表出来さえすれば正直アニメじゃなくてもいいと思っているし、アニメ監督なら望んだ人生に近づけるかもしれない、というのがこの仕事を選んだ理由です。「やりたいこと」と「向いてること」が一致しない人生ってやつだと思います。だからといってアニメの仕事を適当にこなしてはないですよ! 楽しいですし、毎回全力です!
    本当になりたかった自分にはなれませんでしたが、アニメ業界で手に入れた立場や評価はとてもとてもありがたいく、この人生をちゃんとまっとうしたい、今はそう思えます。
    ②監督になるまでの経歴を教えてください。
    中学までは野球部でした。ポジションはファーストです。市内大会でホームランを打ったのが自慢です。高校から大学にかけては音楽漬けです。バンドや音楽イベントサークル(CRJ-Tokyo)の活動に明け暮れてました。高校も大学もふつうの学校だったので、アニメはおろか音楽もアカデミックな勉強は一切したことがありません。
    サンライズに制作進行として入社したのがアニメ業界のキャリアスタートです。制作進行を約三年務めてから、演出助手契約に切り替えてもらって演出のキャリアをスタートさせました。2009年のことです。それまで個人的に絵コンテを描いたりスケッチをしたり、AfterEffectsでコンポジットの真似事をしたりと、アニメの演出になるための努力は進行時代からしていましたね。ちなみに全部独学です。基本、誰にも教わってないです。
    初監督は2014年の『四月は君の嘘』です。オファー自体は2011年の10月くらいだった気がします。ずいぶん先の話だと当時は思ってましたが、あっという間に放送日がやってきてゾッとしました。
    ③今まで影響を受けた監督・作品を教えてください。
    【作品】
    『Back to the Future』,『Stand by Me』,『Young Guns』,『The Goonies』,『Trainspotting』,『ショーシャンクの空に』,『新世紀エヴァンゲリオン』,『千年女優』,『今、そこにいる僕』,『Serial experiments lain』,『天空の城ラピュタ』,『ズートピア』,『愛のむきだし』,『ラブ&ポップ』,『ポルノスター』,『ナイン・ソウルズ』,『リリイ・シュシュのすべて』,『羅生門』
    【監督】
    庵野秀明,岩井俊二,園子温,ロバート・ゼメキス,クリストファー・ノーラン,ダニー・ボイル
    【聞かれてないけど好きなミュージシャン】
    dip,The Velvet Underground,Television,The Stars,ゆらゆら帝国,thee michelle gun elephant,裸のラリーズ,Deerhunter,LITE,The Modern Lovers,Syd Barrett,Manuel Göttsching
    ④監督になるために必要な勉強・経験を教えてください。
    作品をつくる「習慣」を身につけておくべきです。「癖」と言えるくらいになると、なおヨシです。
    僕はアニメの知識どころか絵のことすらなにもわからずに、この業界に入りました。制作進行として仕事を始めた時ですら、「監督がすべての絵を描いている」と思っていたほどです。そんな僕がアニメ監督を生業に出来ているのですから、アニメの知識や技術なんてものはあとから覚えても大丈夫だと断言できます。
    それよりも「習慣」として僕は作詞作曲をしてきたので、自分の作品をつくることがあたりまえの感覚として染みついていました。その感覚があったおかげで絵コンテを描いたり演出したりすることになんの抵抗もなく、あたりまえのことだと思ってこの仕事に臨めています(絵に対するコンプレックスはメチャクチャありますが)。
    みなさんも、アニメでも絵でも音楽でも小説でもなんでもいいので、学生時代から自分の作品をつくる「習慣」を身につけてください。
    ⑤作品を制作する上で大事にしているポリシーを教えてください。
    イメージを明確にすることです。
    監督は船頭役なので目指すべき到着点=イメージを示すことができなければスタッフが迷うだけです。制作準備段階から、最終的な物語のテイストやビジュアルイメージをかなり具体的に固めて、それをわかりやすくスタッフと共有するように心がけています。
    スタッフから出てくるアイデアはイメージに沿うのであれば積極的に採用、そぐわなければゼッタイに不採用。初期段階でイメージを固めているのでジャッジスピードもかなり速い(つもり)です。
    本当はもっと柔軟なマインドで監督した方がいいのはわかっているのですが、柔軟すぎる監督の態度はアニメのような大人数の共同作業にはまったく向かないと、経験則として感じました。
    ⑥監督の仕事で一番楽しいことを教えてください。
    アニメはやっぱり絵が主役なので、自分の絵コンテから素晴らしい作画のあがりをいただけたときが監督として一番うれしいし、楽しいです。
    僕はアニメーターではないので、作画だけはどうしても自分でできません。自分じゃできないことをすごいレベルで達成する人たちにはリスペクトしかないです。あとはやっぱり音楽全般です。劇伴しかり、OPEDしかり、自分の監督作品に音楽がつく瞬間は、疑似的にミュージシャンになった気分を味わえて楽しいです。
    音楽好きが故、劇伴の発注が具体的なテクニカル部分にまで及んでしまうことが多くて、正直作家さんたちがどう思っているのか心配だったりしますが……でもやっぱり打ち合わせで音楽の話をたくさんできたり、レコーディングに立ち会えたりと、すごく楽しいです。
    ⑦映像技術の革新(3DCGや制作ツールのデジタル化など)は監督の仕事にどのような変化を与えているでしょうか。
    ちょうど最新作でデジタル作画を導入しましたが、監督の立場からはアナログだろうがデジタルだろうが、あまり変化はなかったです。
    しかし3Dは別です。次回作は3Dアニメで全編モーションキャプチャーを採用した絵作りになるのですが、どちらかというと実写の撮り方に近いです。作画アニメはシナリオ→絵コンテ→作画という流れが一般的ですが、次回作はシナリオ→モーションキャプチャー用台本執筆→モーションキャプチャー収録→3Dソフトでカメラ割り(絵コンテ)という流れで制作しています。キャプチャー収録時は僕が「よーい……スタート!」とか「はいカット!」とか大声で言ったり、演者さんに直接芝居の演出をしたり。作画アニメの作り方とはまるで違うので面白いです。工程はぜんぜん違いますが、最終的な絵はもちろん「アニメ」です。技術革新を肌で感じるのは、やっぱり3Dの方ですね。
    ⑧アニメを伝えるメディア(TV・映画・ビデオ・配信等)の変化は監督の仕事にどのような影響を与えているでしょうか?
    単純にアニメを作るだけならメディアの変化はまったく関係ありません。どちらかというと、発表する場、世に出すプラットフォームの変化が監督に与える影響の大きさを肌で感じています。作品の自由度から予算の違いまで、今まさにリアルタイムで体験しているので、色々思うところはあります。でも結局のところ、自分の初期衝動に立ち返れば「作品をつくって世に出し続ける」ことが目的なので、メディアの変化に敏感にならなくてもいいや、と軽く考えています。この仕事は(お金を稼ぐなら)オファーがないと成り立ちません。より良いオファーをもらい続けるために、目の前の仕事を全力で頑張るだけですね。
    ⑨アニメという表現手段の魅力や強さはどこにあると考えていますか?
    現実を簡単にアップデートできることがアニメ最大の武器であり、魅力です。
    ディテールの多い少ないに関わらず、現実を絵に置き換える=アップデートする、という考えのもとに僕はアニメを作っています。アップデートする際に、こちらの意図やメッセージをピンポイントで植え付けることが可能なのがアニメの特徴。
    実写は現実を飛び越える映像を作るために、莫大な予算や技術、そしてセンスが必要です。それこそクリストファー・ノーランのレベルにまで持っていかないとなかなか説得力は生まれません。
    かたやアニメ。わかりやく言うと「描いてしまえばいい」わけです。描くときに「美しい」「恐ろしい」「懐かしい」などの感情や意図を色と明暗で表現できる。上手く意図が植え付けられれば観客はダイレクトにそのメッセージを受け取ってくれます。そこにアニメの魅力や強みがあると僕は考えます。
    ⑩監督を目指す人にメッセージをお願いします。
    ちょっと嫌味な言い方に聞こえるかもしれませんが、監督という「仕事」や「立場」を得ることを目的にしたらダメですよ。自分の作品を作りたい、世に出したい、その結果アニメの監督を目指すというなら話はわかります。重要なのは自分が「なにをするのか」「したいのか」であって、「なにになりたいのか」じゃないはずです。役職が目的化したら終わりだと肝に銘じてください。
    そのうえで、さっきと重複しますが、自分の作品を作り続けてほしいです。作品はなんでもいい。なんなら人に見せなくてもいい。作る(完成させる)ことを繰り返すのが肝要です。その習慣が身につけば、おのずと道は開かれる、と僕は思います。そのことを僕自身が証明してみせたんだから、ちょっとは説得力ありませんか?

いしづかあつこ

  • いしづかあつこ の画像

    プロフィール主な監督作品に『さくら荘のペットな彼女』(2012)、『ノーゲーム・ノーライフ』(2014)、『ハナヤマタ』(2014)、『宇宙よりも遠い場所』(2018)などがある。現在新作準備中。

    代表作品

    • 宇宙よりも遠い場所
      ©YORIMOI PARTNERS
    • ノーゲーム・ノーライフ
      ©2014 榎宮祐・株式会社KADOKAWA メディアファクトリー刊/ノーゲーム・ノーライフ全権代理委員会
    監督インタビュー
    ①アニメ監督を志した理由は何でしょうか?
    昔からアニメを見る習慣もなく、 明確な理由はなかったように思います。
    強いて言うなら、 音楽と絵、 物語といった、 自分が得意だったり好きだったりするものが自然と合わさってアニメという道に進んだ形でしょうか。
    ②監督になるまでの経歴を教えてください。
    愛知県立芸術大学でメディアデザインを専攻し、 当時からなんとなくアニメ作品を作っていました。
    もともとアニメに詳しくなかったため、 広告業界を目指していたのですが、 就職活動の最中にようやく「アニメ業界」という単語を知りまして。
    マッドハウス入社後、すぐに「NHKみんなのうた」で『月のワルツ』監督の機会に恵まれ、今に至ります。 音楽や絵が好きで、好きなものを続けているだけなのかもしれません。 好きこそもののなんとやらです。
    ③今まで影響を受けた監督・作品を教えてください。
    そもそも映像ですらないですが、 ディズニーランドはすごいと思っています。
    人々を非現実世界に酔わせてしまうあの感じ。 同じく非現実世界を描くアニメという手法において、 ああいった陶酔感というのは憧れます。
    ④監督になるために必要な勉強・経験を教えてください。
    監督になるために、というのは正直自分自身も分かっていないのですが……。
    どんな仕事でもそうですが、 人との関わりを大切にすることでしょうか。 自分本位ではリーダーとして信頼を得られないと思うので。
    よく観て、 しっかり感じること。 人に対しても、 物に対しても、 この世界に対しても。 ものごとの行間を読んで、 たくさん感動すること。 感受性は大事……だと思います、 たぶん。
    ⑤作品を制作する上で大事にしているポリシーを教えてください。
    人を感動させること。 それは作品を見る人だけでなく、 作り手も同じ。
    仲間である作り手みんなをも喜ばせることが、 良い作品を生み出す秘訣であり、監督としての使命だと思っています。
    ⑥監督の仕事で一番楽しいことを教えてください。
    何が楽しいかと考えたことはないですが……。
    苦しいことの方が実際は多い気がします。 それでもなぜかやめられないのは、 そこに仲間がいて、 作品を愛してくれる視聴者がいて、 彼らがその感動を伝えてくれるからかなぁと。 その瞬間は、 本当に幸せです。
    ⑦映像技術の革新(3DCGや制作ツールのデジタル化など)は監督の仕事にどのような変化を与えているでしょうか。
    できることが増えたという実感はあります。 一方で、 やらなければいけないことも増えた、 とも。監督に限らす、 現場で制作に当たっている人がみんな、 その長短を実感しているのではないでしょうか。
    もともとアニメというのは絵なので、 描いてしまえば何でもできるという、 いわば万能表現手法ではあったのですが、 技術の進歩によりさらに効率的に高いクオリティーを目指せるようになったのは確かです。
    ⑧アニメを伝えるメディア(TV・映画・ビデオ・配信等)の変化は監督の仕事にどのような影響を与えているでしょうか?
    ターゲットが細分化し、その顔を想像しにくくはなっていますね。でもその分、今までのやり方に囚われない挑戦も可能になっていると感じています。
    作品に触れる視聴者も、大きなブランドに拘らず、自身の興味のおもむくままに手を出せる。であれば、こちらも企画の大小に関わらず、 個人的な挑戦だって可能なはず。 ビジネスとしての難しさは増したものの、今は開拓の時期なのかなと。
    ⑨アニメという表現手段の魅力や強さはどこにあると考えていますか?
    先ほども少し触れましたが、 「描いてしまえばなんでも表現できる」というのが最大の強みです。
    また、 アニメーションというのは、 普段目にするTVアニメだけではありません。 映像である以上、 実写もコマ撮りの連続です。 そのコマに細工をすればアニメになります。 クレイアニメなどもそうですね。 しかも今は3D技術なども発達しています。
    無限の表現を探求し続けられるのが、 アニメだと思っています。
    ⑩監督を目指す人にメッセージをお願いします。
    アニメが好きなら、 むしろアニメ以外の世界にたくさん触れてみることをお勧めします。 好きなものは意識せずとも吸収できるので。色々な世界を楽しんでください。

神山健治

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    プロフィール1966年生まれ。埼玉県出身。
    主な監督作品に『攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX』シリーズ(2002)、『精霊の守り人』(2007)、『東のエデン』(2009)、『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』(2017)などがある。最新作は2020年4月よりNetflixで配信される『攻殻機動隊 SAC_2045』(荒牧伸志と共同監督)。

    代表作品

    • 『攻殻機動隊S.A.C.』シリーズ
      ©士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊製作委員会
    • 『ULTRAMAN』(荒牧伸志監督との共同監督)
      ©円谷プロ ©Eiichi Shimizu,Tomohiro Shimoguchi ©ULTRAMAN製作委員会
    • 『攻殻機動隊 SAC_2045』(荒牧伸志監督との共同監督)
      ©郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会
    監督インタビュー
    ①アニメ監督を志した理由は何でしょうか?
    志すというより、作りたい「作品」が先にあったので、その為にはアニメーション監督になるしかないという発想でした。
    ②監督になるまでの経歴を教えてください。
    美術スタッフとして業界入りしましたが、監督という職種を常にターゲットとして考えていたので、美術監督をやりながら企画書や脚本も並行して準備していました。その準備は、後に監督としてのキャリアを築くにあたって、大変役に立ちましたね。
    ③今まで影響を受けた監督・作品を教えてください。
    【監督】富野由悠季, 押井守, スティーブン・スピルバーグ
    【作品】「スター・ウォーズ」「機動戦士ガンダム」各シリーズ
    ④監督になるために必要な勉強・経験を教えてください。
    まず映画を沢山観ることかなと思います。そして、その中の1本で良いから、100%摸倣をしてみることをいつも勧めてます。具体的には、映画1本を丸ごとそのまま脚本に書き起こしてみる。それをするだけで、今の自分に出来る事と出来ない事が分かり、かつ自分のやるべき事が見つかるきっかけになると思います。
    ⑤作品を制作する上で大事にしているポリシーを教えてください。
    観客に観てもらうものだという意識を常に持つこと。
    ⑥監督の仕事で一番楽しいことを教えてください。
    やはり一番は観客に喜ばれることです。
    ⑦映像技術の革新(3DCGや制作ツールのデジタル化など)は監督の仕事にどのような変化を与えているでしょうか。
    基本的なところは変わりませんが、新しい技術に関して何をインプットすると何がアウトプットされるか、については把握しておいた方が良いと思います。常に学ぶ姿勢が必要ですね。
    ⑧アニメを伝えるメディア(TV・映画・ビデオ・配信等)の変化は監督の仕事にどのような影響を与えているでしょうか?
    基本は変わらないと思っています。メディアが変化しても監督のなすべきことは同じですから。
    ⑨アニメという表現手段の魅力や強さはどこにあると考えていますか?
    ほかの表現と比べて、人種や国を超越した表現である点ですね。
    ⑩監督を目指す人にメッセージをお願いします。
    監督は最後まで諦めない者が就く職業だと思います。監督を志している方に一つだけアドバイスをするとしたら、誰か一人でもいいので師匠を持つと良い。それも、直接教えを受ける必要はなく、私淑(勝手に師匠として設定し、自分なりに学びを得る)でも充分ですので。

藤田陽一

  • 藤田陽一 の画像

    プロフィール1978年生まれ。兵庫県出身。
    主な監督作品に『銀魂』(監督期間:2008~2013)、『貧乏神が!』(2012)、『おそ松さん』(2015)、『クラシカロイド』(2016)などがある。現在新作準備中。

    代表作品

    • 銀魂
      ©空知英秋/集英社・テレビ東京・電通・BNP・アニプレックス
    • おそ松さん
      ©赤塚不二夫/おそ松さん製作委員会
    • クラシカロイド
      ©BNP/NHK・NEP
    監督インタビュー
    ①アニメ監督を志した理由は何でしょうか?
    成り行き任せで人生のその時々の選択肢を消去法で選んできた結果の現在なのです。
    ただ、小学生の頃から漠然とテレビの仕事がしたいという思いはありました。
    ②監督になるまでの経歴を教えてください。
    普通の4年制大学で社会学科マスコミュニケーション専攻でした。
    就職氷河期の中、アニメ業界に何とか拾われサンライズという制作会社で『犬夜叉』という作品の制作進行という仕事をしてました。
    その後、他人に頑張ってもらうより自分が手を動かしてる方が性分に合ってると気づき演出業に転向。
    フリーランスの演出家として3年ほど仕事してたら監督の依頼があって現在に至ります。
    ③今まで影響を受けた監督・作品を教えてください。
    『鉄男』,『ジャズ大名』,『機動警察パトレイバー the Movie』
    ④監督になるために必要な勉強・経験を教えてください。
    漫画、小説、アニメ、実写、ラジオ、演劇、スポーツ、音楽、最新、古典問わず何でもいいんで興味を惹かれたモノ手当たり次第とにかく「数」と「種類」を経験してください。自分も学生時代までの観てきたモノの貯金でまだやってます。
    ⑤作品を制作する上で大事にしているポリシーを教えてください。
    エンタメ作ってるんでなるだけ楽しくやってきましょう! 物作るのがアホほどしんどいのは大前提。
    ⑥監督の仕事で一番楽しいことを教えてください。
    多くのスタッフの力で自分の想定を超えた映像が出来上がった時。
    それがしっかり観客に伝わった時。
    ⑦映像技術の革新(3DCGや制作ツールのデジタル化など)は監督の仕事にどのような変化を与えているでしょうか。
    取り残され気味のアナログおじさんなんで特に意見はないです……
    ⑧アニメを伝えるメディア(TV・映画・ビデオ・配信等)の変化は監督の仕事にどのような影響を与えているでしょうか?
    視聴環境が多様化しすぎたので、一周回って考え過ぎず、自分の好みで作ってる気はします。
    ⑨アニメという表現手段の魅力や強さはどこにあると考えていますか?
    他メディアよりは予算に捉われず、自身の創意工夫次第で表現が無限に広がるところ。
    ⑩監督を目指す人にメッセージをお願いします。
    監督の名前で作品を観てるなら未来は明るい!